画像処理エンジニア検定エキスパートにどうにか合格できた

はじめに

CG-ARTS検定文部科学省後援)のひとつである画像処理エンジニア検定について受験した感想をまとめてみたので、今後受験を検討されている方の参考になればと思います。

CG-ARTS検定とは

CG-ARTS検定は2005年まで文部科学省認定の公的資格だった画像情報技能検定が民間資格になったものです。現在はマルチメディア検定、CGクリエイター検定、Webデザイナー検定、CGエンジニア検定、画像処理エンジニア検定の5つの検定にそれぞれベーシックとエキスパートがあります。試験はは夏と秋の年に二回実施されています。
私は当初2020年前期に受ける予定だったのですが、COVID-19の影響で夏の試験は中止となったため秋の2020年後期(11/29)に受験しました。

画像処理エンジニア検定とは

画像処理エンジニアに求められる役割とスキル測る検定です。(以下公式HPより引用)

産業や学術分野のさまざまな領域において、一定の条件(開発目標・システム環境・予算・作業工程・コストなど)のもと、ソフトウェアや関連するハードウェア、システムの開発ができる能力が求められます。

工業分野、医用、リモートセンシングロボットビジョン、交通流計測、バーチャルスタジオ、画像映像系製品などのソフトウェアやシステム、製品などの開発を行うための知識を測ります。

合格率についてはベーシックが70%弱、エキスパートが30〜40%程度となっているようです。

受験前の私のスペック

  • 画像処理について、ほぼ何も知らない
  • 数学苦手(苦手ではあるが嫌いではない)
  • 機械学習に興味があるので独学で勉強している
  • G検定、統計検定2級は取得している

画像処理について学習するのに丁度よさそうだな思い受験してみようと思いました。

勉強方法

公式テキストと公式問題集点があるのでそれを利用しました。公式テキストはフルカラーで図や写真なども載っていますが、数式も多く、数学が苦手な私としては通読するのがまず大変でした。どうしても理解できない部分はネットで調べたり、 問題集の問題を解くことで理解が進みました。公式テキスト(appendix除く)と問題集は2周ずつやりました。


試験対策としては公式テキストと問題集で十分でした。(というか公式テキストの内容を理解するのが大変でした、、最低限の統計と行列の知識がないとテキストを読む事自体が辛くなってくるかなと思います。)


より理解を深めたい場合や、本を読んでるだけではイメージがつきにくい場合は、pythonOpenCVを触ってみたり、画像処理100本ノックなどやってみるのがいいのかなと思います。


エキスパート用のテキストが難しいといった場合は、ベーシック用のテキストを参照してみるのも良いかもれしません。


試験後に気づいたのですが、Udemyに画像処理基礎という講座がありました。ハンズオンもあってこれはわかりやすそうです。


その他以下のサイトを参考にしました。

どんな問題が出題されるのか

実際の試験問題は公式テキストの難解さと比較すると理解しやすい内容になっていると思います。

  • 画像を見て回答する問題
    • 適応フィルタ、変換後の画像、変換式を選択するな
  • 簡単な計算問題
    • 対角画角、画像サイズ、画像の符号量の計算などいろいろ
  • 用語の知識や理解度の問題
    • 式の意味を問われたり、用語の正しい説明を選択させたりなど

処理手法を正確に覚えてなかったとしても問題文と提示されている式から解ける問題もあります。数式の意味を問われたり、処理手法に該当する数式を選択させる問題などもあるので、数式を丸暗記する必要はありませんが、式が何を意味しているのは理解している必要があります。

また、出題範囲が広く頻出問題以外はどのような問題が出題されるか分からないので、テキストの全範囲を抑えておく必要があると思いました。頻出問題については、確実にして解けるようにしておけば得点源になると思います。

実際の試験

午前にベーシック(60分)、午後にエキスパート(80分)を受験しました。

  • ベーシックとエキスパートを両方同日に受験することが可能(両方同時に申し込むと受験料が少し安くなる)
  • 試験会場は他のCG-ARTS検定の受験者と同じ会場
  • 問題の冊子およびマークシートは他のCG-ARTS検定と共通なので、受験する検定の該当部分だけ回答する
  • 試験は全部で41問、すべてマークシート形式
  • 41問のうち4問はCG-ARTS検定エキスパート共通の知的財産権の問題
  • 合格ラインは70点/100点満点(難易度により変動あり、配点は不明)

私は微妙な濃淡や色の違いを読み取るのが苦手なので、画像を見て回答する問題にちょっと苦戦しました。

試験後の自己採点結果

試験の約一週間後に解答が公表されます。 試験直後の印象はまあ受かったかなと思ったのですが、適当に回答した知的財産権の問題がほとんどできていませんでした。(知的財産権についてはテキストのappendixに載ってるので、1回目を通したのですが、全然歯が立ちませんでした。。)さらに、得点源となるはずの頻出問題(しかも簡単な問題)のミスもしていました。。

自己採点の結果73%くらいの正答率だったので、 合格発表まで(試験の約1ヶ月後の12/25)モヤモヤした日々を過ごしました。

テキスト改定について

今回私が受けた試験は、テキストの移行期間として出題範囲が改訂前のテキストと改定後のテキストに共通する内容のみとなっていたようです。(試験日の前日公式ページに以下の記載があるのに気づきました。私は改訂前のテキストを使って勉強していました。。)

2020年(前期/後期)画像処理エンジニア検定エキスパート 出題範囲について 『ディジタル画像処理』[改訂第二版](2020年2月)の発行にともない、2020年は対応テキストの移行期間として、[改訂第二版]と[改訂新版]に共通する内容のみを出題いたします。詳細は、以下をご確認ください。

改定後のテキストを少しみて見てましたが、深層学習の部分に汎化性能やデータ拡張の話、物体検出、セマンティック・セグメンテーション、GANといった項目が追加された模様です。(前のテキストではCNNのちょっとした説明しかありませんでした。) 2021年以降の試験には上記の内容が出題される傾向になるのかもしれませんね。

感想

私にとっては難しい内容(公式テキストの内容を未だ完全に詳細まで理解できていません)だったので、資格取得というご褒美ながければ途中で挫折していたかもしれません。

画像処理技術について網羅的に学習できてかつ資格取得という形にも残せるので、画像処理について勉強したいと思っている人にはオススメの検定かなと思います。(受験料も安いです!)

参考リンクまとめ